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お知らせ

薬局の在宅介入について

5月の研修会は、第一薬局 在宅委員長 辻 泰行先生より、「薬局介入の事例から見る在宅療養管理指導について」ご講義いただきました。今月もLIVE配信となるコミ聴講(20名限定)の同時配信といたしました。
今回の参加者数は、LINELIVE参加者:34名(最大)・なるコミ聴講:7名:合計41名


今回、“個人宅でこんな方には、薬剤師に相談を”のテーマで「残薬」、「複数」、「理解」、「緊急」の4つに分類し、事例を用いながら説明していただきました。1つ目に、税金の面でもメディアに取り上げられるが多い、「残薬」いわゆる飲み残しです。薬剤で年金生活を圧迫していることも問題ですが、服薬できていない(以下、CP不良)ことが、病状悪化につながることはさらに見逃せない要因になるとのことでした。事例として、抗凝固剤を服用していたが、CP不良により脳梗塞を発症、また血糖降下剤のCP不良で増薬となったことを話されました。残薬対応策事例として、薬剤の苦手臭による薬剤拒否の代薬の提案、認知症対応として情報量や回数を抑える、視力低下対応には色を用いて印字をシンプルにする等行っているとのことでした。
 2つ目に、「複数医療機関」として、各門前薬局の処方薬を訪問看護師が小分けしていた事例について話されました。外来服薬支援という保険制度についてご紹介されました。別の薬局からもらった薬についても、整理や効能が同じような薬はないか重複投与の確認、飲み合わせが悪い薬はないか相互作用の確認を行ってくれる制度だそうです。ただし、応急的な支援なので、今後は、かかりつけ薬局を作っておくことが大切であるとのことでした。よくあるパターンとして、薬剤師が介入すると、薬のことは薬剤師にとなり、他職種は一切関わりを持ってくれなくなることがあるそうです。薬剤師が介入しても、薬の種類や温度・湿気による品質の問題もあるため、1か月分をカレンダーに入れておけないことも多いため、他職種の関わりにより、連携を図っていきたいとのことでした。介護保険制度上では、在宅訪問薬剤師は、薬学的管理であることを話されました。つまり、配達・セッティング・残薬チェックの物の管理も行うが、大きな役割としては、相互作用・検査値、投与量・禁忌・適正使用・現状と処方のマッチングの人の管理があるとのことでした。
 3つ目に、「病気や薬剤の理解」として、便秘薬を例に話されました。よく患者様や施設の方からも、効果の強さについて問われるが、薬剤もそれぞれ効能や特徴があるので、便秘のタイプによる使い分けが必要であるとのことでした。第一薬局としては、便のタイプを見極めるために便のイラストで分かるお通じチェックシートを用いて、薬剤の相談にのっているそうです。また、高齢者施設例として、降圧剤のニフェジピンを粉砕している話があるが、薬の成分がゆっくりと溶け出し、効果が長く続くように加工した徐放錠という特徴の薬剤なので、危険であるとのことでした。粉砕・脱カプの危険として、チラシを作成し、注意喚起を行っているとのことでした。
最後に、最近要請が多い「緊急訪問」について、話されました。薬剤師緊急訪問とは、土日や夜間等体調不良の際、医師の指示により緊急に患者宅に訪問し、必要な薬学的管理や指導を行ってくれる制度です。ただし、最低月1回の定期的な訪問を行っていることが条件であるとのことでした。発熱や体調変化で主治医による往診が多い方は、薬剤師と連携をもっていることで安心できるのではとのことでした。
ケアマネジャーから、在宅チームとして薬剤師の関わりが大切であることは理解できているが、ご利用者様への伝え方により、理解してもらえないとの声が多いとのことでした。辻氏曰く「居宅療養管理指導において「配達」と「管理」のフレーズがNGワードになっており、薬くらい自分で取りに行ける、自分で薬くらい飲めますと言われることも多い」とか。上手くいった例としては、主治医からの説明で、「薬剤師介入より、サポートしてもらいましょう」とか、他にも「だいたい月500円くらいかかるが、急変時は安心だよ」みたいなことを話されたそうです。薬剤師の関わりとしては、問題が大きければ関わりをしっかり持つ、問題がなくなれば一旦中止する等、問題点の解決度合いにより、関わる頻度を変えていくことも大切であると話されました。
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