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お知らせ

胃ろう管理について

胃瘻管理について

今月も、万全の感染対策を行い、なるコミ聴講とZoom研修でのハイブリッド研修を無事に終えることができました。今月のテーマは、ケアマネジャー必見シリーズ第3弾「胃瘻管理について」でした。講師は、高木 美佳先生(訪問看護ステーションつむぎ 管理者 )にご講義いただきました。
参加者数は、Zoom参加者:16名(最大)・なるコミ聴講:11:合計27名
ご参加された皆さま、お疲れ様でございました。

 今回、胃瘻の仕組み、メリット・デメリット、カテーテルや経管栄養剤の種類、トラブル時の対応まで幅広く、イラストや写真を交えながら丁寧に説明をして頂きました。
 まず、胃瘻とは、内視鏡を使っておなかに穴をあけ、チューブで胃に直接栄養を送り込む方法であり、手術方法をPEGというとのことでした。手術時間は、順調にいけば30分程度で終了し、体への負担も少なく手術4日後には入浴もできることには驚きました。対象者は、身体機能の低下や重度の認知症などにより、食べ物をうまく飲み込めず、誤嚥性肺炎を引き起こす恐れのある方です。しかし、 胃瘻にした後でも、口から食事を取るリハビリを続けることが大切であるとのことでした。メリットは、鼻からチューブを胃まで挿入する経鼻胃管を行っている患者様に対し、不快感や体への負担が少ない、また食事介助への行いやすさから、介護者側の負担も軽くなる。最大のメリットとしては、高齢者の命にかかわる嚥下障害による誤嚥性肺炎のリスクが軽減できることで、デメリットは、手術が必要、定期的なカテーテルの交換等が挙げられました。
2つ目に、種類として、胃内部でのバンパー型・バルーン型、体外部でのボタン型・チューブ型があり、それぞれにメリット・デメリットがあり、患者様のADLや認知症度によって、最適なものを使用していく。メリット・デメリットとして、胃内部のバンパー型は、安定して固定でき、交換までの期間が長いが、交換時に痛み圧迫感を感じるデメリットが指摘されているそうです。バルーン型は、バルーン内の蒸留水の調節により、抜去や挿入が容易であるが、バルーンが破裂する危険性があるため、交換頻度が1~2か月で1回のペースで交換する必要があるとのことでした。体外部のボタン型は、チューブが出ていないため、目立ちにくく、また、栄養剤の通るチューブの長さも短いため、汚れにくく掃除の手間が少ない。ただ、毎回チューブを繋ぐ手間や、ボタンの開閉が行いにくいデメリットがあると話されました。チューブ型は、栄養剤を入れる際の、チューブ接続が容易であるが、体外にチューブが出ているため、邪魔になりやすく、内側が汚れやすいというデメリットも多く、それぞれ、生活状態に応じて途中でカテーテルの変更もあり得ることが理解できました。
3つ目として、経管栄養剤の種類について説明してくれました。経管栄養剤は、液体の一般タイプや高濃度タイプ、ゼリー状の半固形タイプなどがあり、保険適応できる「医療品タイプ」、保険適応できないが種類が豊富な「食品タイプ」に分けられるとのことでした。液体タイプは、保険適応ができ、経済的に負担は少ないが誤嚥や下痢を繰り返すなどのデメリットもある。長時間安静にできない方や注入の簡便性などから、半固形タイプの注入食へ変更する人も多いとのことで、患者様、家族様の経済的、肉体的、介護的負担からどのタイプがあっているかを検討する必要があると話されました。
最後に、トラブル時の対応について話されました。トラブルとして皮膚(不良肉芽・皮膚のただれ・漏れ・潰瘍)、瘻孔(感染・拡大)、カテーテル(汚れ・詰まり・抜去・バンパー埋没症候群)、お腹と飲み込み(便秘・下痢・逆流・嘔気・誤嚥)でのトラブルについて説明がありました。大切なことは、胃瘻周囲を清潔にする、カテーテルと瘻孔周囲、また皮膚の観察、胃瘻注入後の本人の観察や訴えを聞くことであると感じました。また、自宅で長く安心して過ごすには、日常の状態観察や本人や家族でできる普段からのケアを理解し、どのようなトラブルの際には、医師や訪問看護師に連絡するなどのお互いの連携が大切であると学ばせていただきました。
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