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お知らせ

膀胱留置カテーテル管理

膀胱留置カテーテル管理について

新型コロナウイルス感染者数も減少傾向ですが、なるコミでは、万全の感染対策を行いながら、今月も、なるコミ聴講(限定20名)とZoom研修でのハイブリッド研修を行いました。今月のテーマは、ケアマネジャー必見シリーズ第4弾「膀胱留置カテーテル管理」でした。講師は、島津 真希先生(訪問看護ステーションもも 主任 )にご講義いただきました。
参加者数は、Zoom参加者:11名(最大)・なるコミ聴講:13:合計27名
ご参加された皆さま、お疲れ様でございました。

 今月も、イラストや写真、事例を交えながら、排尿機能・膀胱留置カテーテル・自己導入・等について丁寧に説明をして頂きました。
正常な排尿機能とは、トイレに行き、排尿の体勢をとると自然に排尿が始まり(内外尿道括約筋が弛緩し膀胱の収縮が起こり)、途切れることなくほとんど全量が排泄される機能であり、量や回数は、個人差ありますが、1日量は、1500~2000ml(水分摂取量にも左右される)、1回量:200~300ml、排尿回数;5~6回、性状:薄い黄色であるとのことでした。異常な尿として、目で見ただけではっきりと異常が認められる赤く染まった肉眼的血尿、目で見ただけでは異常が認められず、尿の成分を精査することでわかる顕微鏡的血尿、他にも脱水症などが原因で濃縮されている状態の濃縮尿や尿道・膀胱から膿が出ている状態の膿尿があることを知りました。また、服用する薬剤でも、尿の色が変化することがあるそうです。排尿障害とは、排尿状態異常の総称、原因として、年齢による衰え、前立腺肥大症や子宮脱、また糖尿病や脳血管疾患などの様々な病気や服薬の影響により尿が出づらくなることがあり、出ていない尿が腎臓へ逆流し、尿路感染症や腎盂腎炎などの細菌感染を引き起こす為、膀胱留置カテーテルや自己導尿など、排尿をスムーズに行うケアが必要であると話されました。
膀胱留置カテーテルとは、何らかの理由で尿が排泄されなくなったときにカテーテルを尿道から膀胱まで通し、カテーテルの中を通って畜尿袋に尿を溜めていく仕組みであり、注意点として、カテーテルの屈曲・ねじれ・圧迫、固定位置の皮膚かぶれ、畜尿バックの管理位置等の管理が必要であるとの説明がありました。また、感染防止対策が重要で、尿を停滞しないために水分をしっかり取ること、入浴やシャワー浴で陰部洗浄を行い清潔に保つこと、2~4週間ごとの定期的な交換が重要であることを話されました。膀胱留置カテーテルのメリット・デメリットとして、留置するため、失禁によるおむつ交換や複数回の導尿などの介護者の負担が少ないこと、また失禁に関連した皮膚トラブルや褥瘡などへの影響がなくなる、確実に尿量を計測できること、デメリットとして、違和感、痛み、感染症、認知症等によるカテーテルの自己抜去、尿の濁りによるカテーテルの閉塞で尿が出にくくなることがある等を挙げられました。
 看護師の観察項目として、尿量・性状、尿道口の発赤や潰瘍の有無等があり、尿の流出がない、また尿漏れの際には、カテーテルの屈曲の有無、バルーン内の固定水の確認、ミルキング、下腹部緊満の有無等、また尿の浮遊物が多い時は、飲水を促したり、ミルキング、それでも頻繁にカテーテルが閉塞する場合は、カテーテルを太いものに変えたり、定期的な膀胱洗浄を行う対応策をとることが大事であるとのことでした。
 自己導尿とは、尿が膀胱に溜まった時、1日に5~6回、尿道から膀胱まで、毎回カテーテルを挿入し排泄する仕組みで、メリットとして、生活制限がほとんどなく、バルーンカテーテルに比べ、感染のリスクが低いこと、デメリットとして、自己導尿ができるようになるまでの個人差やカテーテル挿入時に尿道を傷つけてしまう尿道損傷を挙げられました。他にも、カテーテル留置を短期的に利用する間欠式バルーンの紹介もありました。
 事例として、①認知症状であり、バルーンカテーテルをオムツパットで保護することで発熱や腎盂腎炎を発症せずに在宅ですごしているケース、②当初は自己導尿を行っていたが、介護者が高齢のため、バルーンカテーテルを留置とDIBキャップ装着により介護負担なくカテーテルより排尿可能となったケース、③下半身不随であるが、留置カテーテルではトラブル続きであったが、間欠式バルーンカテーテル変更することで問題なく生活を行えているケースについて話されました。その方の家族関係・生活状況に合わせ、状況にあったカテーテルの形式を変えることで、在宅生活を送れることを学びました。

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