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Dr.川西の医療んなこと

【第12話 殿様枕症候群】

今日の論文は「ほんまでっかTV」に出せるちょっと怪しい論文です🙄
でも面白いから紹介します。枕の高さが脳卒中のリスクになるかもという論文です🙂これは日本の国立循環器病研究センターの研究です。脳卒中の多くは50歳以上で発症しますので、概ね18歳から50歳までの間に起こる脳卒中を若年性脳卒中と呼んで区別しています。若年性脳卒中の原因として生活習慣病はもちろんですが、脳動脈解離というものもあります😣脳に繋がる動脈の内膜という内側の部分が剥がれることで、そこに血の塊が出来て血管が詰まったり、出血して、脳梗塞や脳出血が起こります💥何故脳の血管の膜が裂けるのかというと、生まれつきの血管の脆弱性や外傷もありますが、よくわからない事例も多いのです💦
今回の論文では、椎骨動脈解離の患者さんで、起床時から症状が発現する事例の多いこと、そして枕の高さに注目😲高い枕により首が後方に進展することが、解離のリスクになると考えました。椎骨動脈解離と診断された患者53名を、同時期に脳卒中の疑いで病院を受診した、年齢や基礎疾患をマッチングさせた椎骨動脈解離以外の患者53名と、枕の高さと病気との関連を比較しています。対象者の年齢の平均は49歳で、若年性脳卒中の事例が多いです🤨その結果、12センチ以上の高さの枕を使用することは、椎骨動脈解離のリスクを2.89倍、15センチ以上の高さの枕を使用することは、10.6倍、それぞれ有意に増加させました😫この関連は柔らかい枕より硬い枕でより強く認められました。論文ではこれを「殿様枕症候群(Shogun pillow syndrome)」と呼び、硬い高さの高い枕の使用に警鐘を鳴らしています💥真田広之で有名になったShogunが登場です❗️ネットフリックス、入るべきか、、、😅
枕の歴史を見ると、江戸時代初期までは現代の枕くらいの高さだったようです。平和な時代ですから、中期になると、みんなおしゃれを覚え、髪型にも凝り始めました。女性の髪形は後ろや左右に張り出すように。男性も同様で、髷に凝りはじめました🧔🏻すると、みんな低い枕では髪型を崩してしまうため、男女とも高い枕を必要とするようになったみたいです🙂そして箱枕が登場、寝やすさよりもヘアスタイルを優先にした、小粋な江戸っ子達です👦🏻何度も結い直すの、めんどうですもんね。何はともあれ、殿様枕症候群、、、名前がユニークですよね😁国立循環器病研究センターは大阪府吹田市にあるので、ウケを狙ったんでしょうね😌でもでも、現代で高さ15センチの硬い枕、、、誰が使ってるのでしょう😛暴れん坊将軍でしょうか😐まつけん😏??これは症例数が少ないので、統計でいう信頼区間というのもべらぼぅに大きくなっており、ほんまでっかTVに相応しい論文と言えます⚠
まぁでも、こうした生活習慣が原因不明の脳卒中のリスクになっているかも、というのは面白いですよね😁今日も唆りましたね。みんな、ニトリに枕を買いにいきましょう😉まわしものじゃないですよ🤭
【参考】
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11318437/
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