昨日は医療と介護の未来塾の定例勉強会。
今回は「相談援助技術について」というテーマで、社会福祉法人あおい会療育センターAOIの松岡歩先生に講演いただきました。
松岡先生は障害分野で多岐に活躍され、和歌山県相談支援体制整備事業アドバイザーや社会福祉士会理事も務められています。
相談援助技術は病院の相談員やケアマネだけでなく、対人サービスを行っている職種の人には必要な技術で、普段学ぶ機会も少ないテーマ。
本来ならグループワークを中心に行う内容なのですが、今回は座学でと難しいお願をさせて頂きました。
普段の活動分野である障害の事例から、援助の本質である「権利擁護」の流れ、措置から契約への制度の流れのなかで、ICIDHからICFへのアセスメントの変化についてまず説明いただきました。
ハンデのある人を「できないこと」の視点でとらえるのではなく、生活機能や環境因子における「できること」の視点でとらえることは今では当たり前になっています。
また、相談援助は誰のためにするのか、誰の視点で考えるのかも大事なことです。
相談者の視点で、相談者のストレングスを活用し、相談者が意思決定を支援する。
当然コミュニケーション力も求められ、相談援助の技術職としては社会資源の活用力も必要です。
相談者の悩みや課題について援助者が答えを出すのではなく、相談者が答えを出す支援をすることは実は難しいこと。
本人の漠とした不安や悩みを引き出し、整理し、必要な支援を一緒に考えることが求められます。
最後に相談援助職について、対象者の持てる力と環境をアセスメントし、環境を整え、対象者のQOLを高める専門家であるとし、真の連携をつくる努力を惜しまないこと、同時に相談援助する自分たちが燃え尽きたり、疲弊することのないよう、お互いの援助や気遣いも必要なことを訴えられました。
講演の中でおいしいカレーの作り方を説明するワークもあり、1時間ではもったいない楽しく充実感のあるお話でした。
お忙しい中準備いただいた松岡先生、ありがとうございました。
遅くまで参加いただいたみなさん、おつかれさまでした。
来月は10月20日「精神科訪問看護について」訪問看護ステーションメンタルナース浦野成之先生です。
みなさんのご参加お待ちしています。