受付時間 / 午前 9:00-12:00 午後 14:30-17:30
 休診日 / 土曜午後・日曜・祝日 (急患は随時受付)
MENU

お知らせ

介護医療院と老人保健施設の入所対象者の違いについて

新型コロナウイルス感染増加傾向ではありますが、なるこみにおいて万全な感染対策をしながら、今年最後の未来塾をハイブリッド方式で開催いたしました。今月のテーマは、「介護医療院と老人保健施設の入所対象者の違いについて」でした。講師は、介護医療院から、「藤田友紀先生・松本大樹先生(さくらの家ふじたみ)(以下、藤田先生・松本先生)」、老人保健施設(以下、老健施設)から「上野山智也先生(老人保健施設光苑)(以下、上野山先生)」にご講義いただきました。
今月の参加者は、Zoom参加者:16名(最大)・なるコミ聴講:14名:合計30名でした。
ご参加された皆さま、有難うございました。

 前半は、老健施設について、上野山先生よりご講義いただきました。老健施設の理念と役割として、?包括的ケアサービス施設、?リハビリテーション施設、?在宅復帰施設、?在宅生活援施設、?地域に根ざした施設として老健施設には求められているとの説明がありました。以前は、在宅復帰施設と謳いながらも、長年入所していることが多いことから、周囲から特別養護老人ホームとの違いはどこにあるのかと言われていた時代もある中で、平成30年の介護保険改正において、老健施設の定義として「居宅における生活を営むことが出来るようにするための支援が必要」いわゆる「在宅支援が必要」とはっきりと機能を明示されことが大きな転換点であるとの話しでした。徐々にではありますが、厚生労働省からも「在宅支援・在宅復帰」の方向に厳しく指導されてきているとのことでした。老健の区分分けとして、「超強化型」「在宅強化型」「加算型」「基本型」「その他型」を示されました。「超強化型」は5つの区分の中で最上位に位置しており、利用者様の在宅復帰への貢献度が特に高いと評価された施設である。また、超強化型老健に区分されるには、様々な厳しい算定要件を満たす必要があり、その分、報酬水準も高くなると説明されました。厚生労働省も「在宅支援・在宅復帰」に強化なベクトルを向けているというのがよく理解できました。ただ、算定要件が高いため、和歌山県で「超強化型」を算定されている施設は光苑含め4施設(県全体約40施設)のみであると説明してくれました。
入所相談時、支援相談員が把握しておきたい情報として、いくつか示され、中でも既往歴(現病も含む)、治療の必要性、他科受診の有無、服薬の内容(薬価)がとくに重要であるとのことでした。老健施設は、薬代や他科受診代もすべて老健施設負担の施設であり、例えば、施設内の看護師が行える採血や処置等は施設負担であるとの説明がありました。薬代に関しても、月額約10,000?15,000円の範囲を基準としており、新薬やパーキンソン薬は薬価が高いので入所は難しくなることもあるとのことでした。上野山先生が薬価を調べる際に使っているサイトを紹介して頂き、上野山先生より、ケアマネジャーも担当している利用者様の薬価の月額を知っておくことで、入所相談しやすくなるのではとのアドバイスがありました。
後半として、藤田先生・松本先生より介護医療院についてご講義がありました。
介護医療院とは、住まいと生活を医療が支える新たなモデルとして2018年4月から始まった長期療養、生活のための新しい施設形態であると話されました。2022年9月現在で、紀北・紀南に集中しているが、和歌山県には、8ヶ所(さくらの家ふじたみを含む)の介護医療院があるそうです。分類も、重篤な身体疾患を有する者及び身体合併症を有する認知症高齢者?型と?型に比べ容態は比較的安定した者の?型に分かれているとのことでした。
現在、さくらの家ふじたみは、?型の分類で17床あり入所対象者は、要介護1?5の65歳以上の高齢者、特定疾病の64歳以下の方に加え、喀痰吸引、経管栄養、インスリンなどの長期的な療養と医療処置が必要と判断された方であると話されました。また、ターミナルケアや看取りも行っているとの紹介がありました。2022年実績(10月現在)として、平均介護度は4.6、看取り件数14件、状態が安定し長期的な医療処置がなくなり他施設への入所となった方が2名いることを示されました。
 さくらの家ふじたみでは、レクリエーション活動に力を入れており。施設内の生活の場では音楽鑑賞や手芸教室、敷地内に季節に応じて咲く藤棚や桜の観賞も行っている。また、地域の交流として、広報誌「ふじの香」を年3回発刊し、地域に方々に取り組みについて広報しているとのことでした。
 医療と生活の場の機能が発揮できた事例の紹介をしていただきました。松本先生より、起きる・食べる・清潔・排泄などの生きるための本能としての欲求、いわゆる生理的欲求が満たされた上にその人らしさが表れてくる5つの基本的ケアのご紹介がありました。松本先生も、仕事をしていくうえで重要視しており、さくらの家ふじたみでもチームケアとして実践しているとのことです。事例は、82歳女性、他施設入所中倒れており、気管切開、膀胱留置カテーテル挿入、経管栄養チューブにて他院へ入院していた方です。入所への経緯としては、カテーテルやチューブも抜去、気管閉創となり、状態も落ち着いてはきたが、在宅復帰には難しく当介護医療院へ入所となったとのことでした。入所当初(2021年2月)は、要介護度5で全て全介助、意欲も表情もなく発語も難しかったため、チームで発語を促す声掛けとナースコールを押す練習から始めたそうです。その後、チームケアと本人の頑張りのおかげで、なんと9か月後にはスマートフォンのLINEを使い家族に「肉まん・餃子」など食べたいものを要望しドクターストップを掛けるほどまでに回復。1年半後には、食事・排泄・入浴とも自立されており、歩行もシルバーカーではあるが安定されており、要介護1との認定結果。自分でしっかり立たれ、花の木と一緒に写っている写真も併せて紹介して頂きました。体重とBMIのグラフを示され、入所当初は、体重30?でBMI14.6(21.5未満でやせ型)と家族も覚悟されるほどであったが、1年半後は50?で26.3(25以上で肥満)と減量を余儀なくされるまで回復されたとのことでした。先月10月には、在宅復帰され元気に退所されたとの事例紹介でした。松本先生より、喜びや楽しみは難しく考える事ではなく、誕生日を一緒に祝ったり、どんな小さなことでも昨日できなかったことが今日できたら一緒に喜ぶといった喜怒哀楽の感情を共有することで、その人らしい生活が行える一番の近持であると話されました。
老健施設は、今までの長期入所から「在宅支援・在宅復帰」への転換となり、また施設負担として処置や投薬代、他科受診代が掛かることから入所の際にも既往歴の情報に重要になってくること。また、介護医療院は、入所対象者が長期的な療養と医療処置が必要と判断された方であるが、さくらの家ふじたみでは、生活の場にも力を入れており、退所されるまでになった方もいることが理解できました。
上野山先生、藤田先生・松本先生、遅くまでありがとうございました。
ページ上部へ