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お知らせ

地域共生社会を見据えた共生型サービス

 7月の未来塾も、なるコミにおいて感染対策には十分注意しながら、ハイブリッド方式で開催いたしました。今月のテーマは、「地域共生社会を見据えた共生型サービス」でした。講師は、丸山 美智子先生(一般社団法人幹 代表理事)(以下、先生)からご講義いただきました。今月の参加者は、Zoom参加者:24名(最大)・なるコミ聴講:14名:合計38名でした。ご参加された皆さま、有難うございました。

 今月も、イラストや動画・写真(使用許可済み)を使用しながら、開所までの経緯や実際の活動等についてご講義いただきました。
 地域共生社会を考えられた背景として、先生自身、0~100歳以上までどのような人でも体や心まで大切に思う気持ちは同じであるという強い信念をもっていることが大きく関係しているとの話がありました。事業所名の(幹)の由来においても、共同設立者の名前を1文字ずつ取り、漢字には根幹になる意味の(幹)を当てたそうです。2018年紀の川市での開所当初より、子どもや精神科の訪問看護の依頼が多く寄せられていたとのことでした。2020年に訪問看護の拠点を和歌山市に移し、同施設内に看護小規模多機能型居宅介護(以下、幹はうす)を開所し、同時に障害児と一緒である共生型(児童発達支援・生活介護・自立訓練・短期入所を実施)を取り入れたとの説明がありました。幹はうすの設立理由としては、始めてNICUから退院した児の母の「この子が2歳になったら仕事を考えたい」の一言で、日中預かる場所を作ろうに至ったそうです。その後は、必要に合わせ、放課後等デイサービスやヘルパー事業所等を拡大、2023年4月に「難病の子供と家族の拠点」として同敷地内に幹らんど開設、7月に同施設内に誰でも入れる「café みき」をopenしたので是非お立ち寄りくださいとの話がありました。
 幹在宅看護センターでの訪問看護実績と年齢別のグラフを示され、小児・精神・難病・障害・介護保険と多分野に分かれており、年齢別では0~100歳以上までの利用者様がおられ、特に10歳以下と70歳以上の方が多く利用されていることが理解できました。実際の訪問看護として、高齢者では透析や看取りなど、小児においては発達の促進や呼吸器管理等と幅広く訪問している写真を紹介していただきました。他にも、視力を育てる意味で眼球運動や追認、眼科受診により眼鏡を掛けることも進めており、眼鏡を掛けることで体幹への安定につながることが分かったそうです。小児への訪問の際は、いつも絵本を持っていくように心掛けているとのことでした。 
「医療的ケア」という用語ついて説明があり、栄養摂取や痰吸引等「日常生活に必要とされる医療的な生活援助行為」とされており、医療職ではない者が行う医療ケアを指すことであるので知ってもらいたいとの話がありました。直近10年間で医療的ケア児が2倍となり、要因として日本の新生児医療の進歩による死亡率の低下(1000人の新生児に対し、1人未満)であることを挙げられました。2021年には、国で「医療的ケア児支援法」が成立し、国や地方自治体が医療的ケア児の支援を行う責務を負うことを明文化された法律ができ喜ばしいことであると話されました。
 最後に、幹はうすでの共生型サービスでの実際の活動について幾つか示されました。
①100 歳代の認知症を患う方と 0 歳~4歳の医療的ケア児たちと一緒に歌や体操、食事などの活動を通して笑顔を共有でき、もともと通所を嫌がっていたが、通所や泊りが楽しみとなり 家族のレスパイトとなった。
②脳出血後の高次脳機能障害ではあるが、幹はうすを利用される方への食事を作ることが目的で外出の機会になった。また子育て経験があるため、医療的ケア児たちの世話を通して笑顔が見られるようになった
先生より、課題として、現時点では病院やケアマネジャーからの紹介が多い。地域共生社会を目指しているため、今後は地域住民や生活困窮者が参画できることを目標にしていきたいと話されました。毎年10月には、地域の方と一緒に秋祭りを開催しているそうです。7月よりopenする「café みき」内には、ユニバーサルカフェコーナーも開設し、「美味しいものを一緒に」のコンセプトで家族と医療的ケア児も一緒に食事をするスペースも確保しており、地域住民や一般の方にも「café みき」を利用していただき、地域共生社会に近づければと考えていると話されました。
丸山先生、貴重なお話をありがとうございました。
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